MINT CONDITION

MINT CONDITION

『MINT CONDITION』（ミント・コンディション）は、唯一無二のサウンドを追求し続けるクレイジーケンバンドが2010年に発表した、通算12枚目のスタジオアルバムです。この作品は、2010年8月11日に日本の音楽シーンに送り出されました。「ミント・コンディション」という言葉は、中古品でありながら新品と見分けがつかないほど状態が良いことを指すことが多いですが、まさに長年活動を続けるバンドの円熟期でありながら、常に新鮮でエネルギッシュなサウンドを生み出し続ける彼らの「極上の状態」を表現しているかのようです。

本作は、ファンにとって嬉しい2種類のパッケージで展開されました。一つは通常盤、そしてもう一つは豪華な特典が付属する初回限定盤です。特に初回限定盤には、2010年に行われた「MINT CONDITION 2010」と題されたツアーの中から、大阪BIGCATで行われたライブパフォーマンスの模様を収めた貴重な映像ディスク（DVD）が同梱されており、アルバムの世界観をさらに深く体験できる仕様となっています。

アルバム本編（CD）には、クレイジーケンバンドらしいジャンルを横断する多彩な楽曲が詰め込まれています。多くの楽曲で作詞・作曲はバンドの中心人物である横山剣が手掛けていますが、一部の楽曲では菅原愛子との共作も見られます。編曲も、横山剣と小野瀬雅生のコンビネーションが中心となりながら、高橋利光を含む多様なアプローチが施されています。収録リストは以下の通りです。

1. 1107 - album version - （西友KY2キャンペーンソング）
2. Mint Condition
3. シンガプーラ
4. Hong Kong Typhoon
5. Body Talk
6. Hideaway
7. eye catch - めくるめく世界 -
8. Revolution Pop
9. MOTTAINAI （テレビ愛知「3時のつボッ!」エンディングテーマ）
10. 磨き
11. ヨコスカン・ミラクル
12. ステーション・ワゴン
13. Revolution Funk
14. eye catch - from editor -
15. 仮病
16. 漢江ツイスト
17. 無条件
18. eye catch - negishi jocky club -
19. Merry Christmas 4 （「093昼顔」の別アレンジ）
20. シャンタン
21. 地層

注目すべきは、タイアップ曲として西友のキャンペーンソング「1107」のアルバムバージョンや、テレビ愛知のエンディングテーマに起用された「MOTTAINAI」が収録されている点です。また、「Hideaway」や「シャンタン」では菅原愛子が作詞作曲に加わり、「仮病」では横山剣、小野瀬雅生、高橋利光の共同編曲がクレジットされるなど、多様な才能が結集して生み出された楽曲群であることが伺えます。さらに、アルバムの随所に挿入される「eye catch」は、リスナーを楽曲の世界観へと誘い、アルバム全体の流れにアクセントを加えています。

初回限定盤に同梱されたDVDは、ファン垂涎の内容です。2010年6月18日に大阪BIGCATで行われたライブ「MINT CONDITION 2010」の公式ブートレッグ映像が収録されています。ライブ本編では、「長者町ブルース」から始まるメドレーや「ハマ風」、「零」といった人気曲、さらには「Hong Kong Typhoon」「仮病」「シンガプーラ」のメドレーなど、臨場感あふれるパフォーマンスが収められています。また、ライブにおける定番コーナーであるリクエストに応じた「路面電車」や、「スージー・ウォンの世界」、「ガールフレンド」といった楽曲も収録されており、当時のライブの熱気をそのままに伝えています。ボーナス映像として、「1107」のミュージックビデオのライブバージョンも特別に収録されており、視覚的にもアルバムを楽しむことができます。

この『MINT CONDITION』は、クレイジーケンバンドの音楽的な幅広さと深さ、そしてライブパフォーマンスの魅力をも余すところなく詰め込んだ、まさに「ミント・コンディション」な一枚と言えるでしょう。往年のファンはもちろん、彼らの音楽に初めて触れるリスナーにとっても、その世界観に引き込まれること間違いなしの傑作です。

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